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●140
お疲れな日々(2000/05/17)

残業の日々が続いている。

つい今し方まで同僚とふたり会社にいた訳だが,かなり煮詰まってハイ状態に陥りかけているところに,不意にある課長さんが現れたので驚いてしまった。

仮にE課長としておこう。e-課長とすれば実に今風で格好がよろしいが,そんな人ではない。何はともあれ,そのE課長が背後から現れたのだ。

「アイム・ベリー・タイアード」。振り替えると,苦渋に歪んだE課長。「べりー・たいあード」。言わなくても,見るからに疲れてそうだ。「たいあーど」。 私達に何を伝えるでもなく,ぶつぶつそう言いながら,少し白くなった頭を俯き寡言に傾けながら横を通り過ぎて行った。

あっけに取られてると,地を這うようなイビキ。E課長はお休みのようだ。休憩室の長椅子。寝つきは早い方かもしれない。

あっ,そういえば今日は飲み会だったハズ。どおりでだ。普段でも苦渋に満ちた顔をされているが,今晩はより一層深い面持ちに見えたのだろう。みんな疲れて んだよな。なんて話しながら仕事を再開する。

暫くして同僚がトイレにいったが,帰ってくるなり笑ってる。

どうやら,E課長便所で寝ていたらしいのだ。便器を抱いて,頭が水に浸かりそうなくらいの姿勢。前髪くらいはイッちゃってるのかも知れない。どうりで,イ ビキが聞こえなくなったハズだ。このまま放置しておくのも可哀相だが,こちらも忙しいので仕事を続ける。ふと気づくとイビキが休憩室から聞こえる。移動し たらしい。いつのまに。まだそんな余力があったなんて驚きである。

軽やかなE課長の吐息をBGMに仕事が思いのほか捗って,一応のところ今日仕事はおしまい。帰るとするか。

戸締まりOK。タバコの始末もOK。徐々に照明を消して廻る。あとは玄関の鍵を閉めるだけ。えっと,なんか忘れてる。パソコンの電源か?。いいやE課長を 忘れてた。

長椅子に寝てる。便所で一戦交えた後なので,幾分顔色は良さそうだが,顔が腫れて歪んで見える。相当のんだなE課長。

「じゃ帰りますよ」
「#佛$%鼎簑熙、、ヌイ?陦ェ」

文字化けみたいな言葉を最後に,また深い深い奈落に落ちて行く。

その一角だけ残された照明がセツナイ。

明日,また会いましょうE課長。
●139
お告げ(2000/05/14)

最近,電車の中が静かだ。
ケータイのメールがかなり定着化してるからだろう。以前は通話する声が方々で聞こえたのだが,今は一心不乱にメールを送っている。

こいつは静かで良い。くだらない超私的な会話を聞かなくてすむ。この状態は何も若い連中だけじゃない。幅広い年齢層がメールの活用をしているみたいだ。

現に,今し方まで飲んでいた居酒屋でもそうだった。5人での飲み会。私以外は40代の大先輩達であったが,なぜか急に4人がメールを打ち出した。これはか なり妙な雰囲気である。無言。それこそ,蟹食う時みたいにシーンとしているのだ。で,何をやってるかと思えば,その4人の中でメールが廻っている状態。な んじゃこりゃ。全く大の大人までが完全に毒されている。

だだ,若者と40代のオジサンを比較すると,明らかな違いがある。オジサンはメールを打ちながら何故だか顔がにやけているのだ。卑猥な微笑。知ってか知ら ずか自動的に口元から笑みがこぼれている。かなり気色わるい。

こんな調子で爆発的に普及し始めたケイタイメールだが,数年後にはこれも音声入力になってしまうかもしれない。電話なのに音声をわざわざ文字化して送る。 本末転倒な話だが,あのボタン操作は面倒だし,PCがそうであるようにタイプから音声へと変わって行くだろう。

しかし,そうなると妙なもので,また電車内のでじゃべり声が問題になるのかもしれない。淡々とつぶやく乗客達。会話が成り立たない喋りは傍目からみると, これもかなり気色わるそうだ。

その内,さらに進化して音声も必要なくなる。自分が頭の中で考えた事がメールに変換されて,送信できるようなシステムになるのかもしれない。ただ,この場 合は人間の思考情報を取り込むために,電極付きヘッドギアが必要になる。となりに座っていたオネーサンがおもむろにヘッドギアを被る。電車内の全員がギア を被る。これまた某宗教団体の集会みたいで,非常に気色わるい。

まぁ,そこまでいかなくても,ひたすらケータイ文字を打ち込む姿は,何かに憑かれているような感じがする。1文字1秒未満のつわものもメーラー居ると聞 く。もうこれは既に宗教なのかもしれない。

おー,健気なケータイメール教信者達よ。神からのメールが届くのを待つがよい。信じれば,いつの日かきっと届くであろう。

でも,もし届いてしまったら,病院へ行くことを強くお勧めする。
●138

眠る男(2000/05/07)

少し前から喉の調子が悪かった。
何食っても痛いし喉の奥に何やらひっかかってる感じ。熱は無い。咳も出ない。治るだろうと放っておいたら,悪化して夜も寝れない状態になってしまった。

思い当たる節もないが,このままではマズイと思いGW中の当番在宅医へ行ってみた。

「原因は何なんでしょうか?」
「風邪じゃないみたいですね」
「では何?」
「菌,調べてみます?」
「はぁ」
「でも,結果が分かるころには治ってますよ」

何て医者だ。結局良く分からん。けどもホントに喉は痛いし,リンパ腺なんかパンパンに腫れてて,長嶋一茂みたいな図太い首になっちゃってる。感覚的には歯 医者に行って,麻酔打たれたら唇が横溝正史風になっちゃったんじゃないかと思うくらい腫れてる。今回は麻酔じゃなくてバイ菌さんの仕業なので,比較になら ないくらい現実味を帯びている。

「じゃ点滴でも打ちますか?」
「じゃ,って点滴ですか?」

急遽,点滴を打つはめになったが,実は初体験。最近の医療事故が脳裏をよぎる。信頼していいのだろうか。考えを巡らせている内に着々と準備は進み,まな板 の鯉と化した。

「初めは少しチックとしますよ」
「はい。痛っ」
「このまま動かさないで下さいね」

そのチックがやけに長い。漏れてんじゃないの。もしか,点滴液の間違いとか。空気を注入されてるとか。大丈夫か。たまらず聞いてみる。

「かなり痛いんですけど,点滴ってこんなもんなんですか」
「漏れてませんし,そうこんなもんです」
「こんなもんですか,点滴って」
「点滴って,こんなもんです」

何て看護婦だ。富士フイルムのCMみたいな会話でお茶を濁されたような気がして不安である。

「どれくらいですか」
「1時間くらいです」

この中途半端な痛み共に1時間も過ごすのかと思ったら泣きたくなった。隣のベットでは寝息を立てている奴がいる。かなりのベテランだろうか。私はとうてい 寝ることなんて出来ないな。

と,思ったら気づいたら看護婦さんの声。何だよ。えっ,終わったの?。何で。イビキ?。何のこと。良く見たら点滴液は空っぽ。どうも爆睡してしまったらし い。その上イビキまで。何て奴だ。って自分なのだが。

これで実証できた。私はいつでも,どこでも,どんな状態でも,速攻寝れる男だということを。でも,何の役にたつのか。何か利用方法はないのか。早寝で商 売。早寝で発電。早寝による大気の清浄化など。また今日の深刻な問題である未成年者の犯罪が,早寝効果によって減少することでもあったなら,大いに自慢し 社会に貢献できるのだが。

しかし,今のところは何ら実用化されていない。残念ながら。
●137
喪服の乗客(2000/05/03) 注1:長いです。注2:フィクションです。

友人から車を借りた。
買って間もないこの車,私もこの気に入っていて,今乗っている車がお釈迦になったら買おうと決めていたヤツだ。

雲行きは良くないが,走らせたくてどうにも我慢できない。気の済むまで気のむくままドライブする。

三枚目のMDが終わるころ海へ出た。夕闇が迫る。本来なら鮮やかであろう夕陽が,厚い雲と灰色の海の狭間で褐色の鈍い光を放っている。血液の色にも似たそ れは一瞬激しく色合いを濃いものにしたが,やがて一筋の光となりあっという間に水平線に飲み込まれた。遠雷。そして海と空が一体となった。

もう少しシビヤなレスポンスを味わいたいと思いワインディングへ向かう。かなり遠回りだが山越えのルートを取る。イグニッションキーを戻すのは深夜になる だろう。明日の朝早く返す約束は充分守れるだろう。

初めて走る峠に差し掛かったころには雨が降り出した。それでも車は素直な手応えで反応している。あまりの従順さに征服欲が頭をもたげる。こいつの限界まで 付合うことにする。

シフトレバーをセカンドに叩き込む。跳ね上がるタコメータ。オーソドックスだが高度にチューンされた直列四気筒のエギゾーストノートは金属音に豹変し牙を 剥いた。ヘッドライトに映し出される銀色の視界がフラッシュバックする。路面がとてつもなく素早いヘビの如く襲い掛かる。その毒牙から逃れるべく,熱を帯 びたタイヤが断末魔の悲鳴をあげる。

雨が激しくウインドウを射ち,稲妻が走り周囲を青白く染める。MDがビートを叩き付ける。道は更に険しくあくまでもタイト。なおもアクセルを緩めない。耐 え切れず後輪が流れる。ねじ伏せる。もう少しだ。

しかし,あと一歩でこのtomboyを征服し終えそうな場面で,前方に明かりが見えた。テールランプ。あっと言う間に先行車に張り付いてしまう。しかたな く減速する。こんな峠道では抜きどころがない。

マイクロバスのようだ。ひと昔前の旧型。乗客はいなさそうである。それにしても随分遅い。躱すタイミングを見計らう。道幅が広くなったかと思うと,また狭 くなる。次第に苛立ち始める。

不意にバスがスピードをあげる。アクセルを踏み込み追従する。急停車。すんでの所で追突は免れる。激しくクラクションで抗議するが,応答はない。その代り ハザードランプが朧げに点滅し始めた。

誰か乗り込むらしい。雨でよく見えない。一瞬ではあるが,黄色い点滅の中に傘をさした全身黒ずくめの人物が認められた。どうやらそれは喪服のようだ。暗闇 と喪服。それと対象的に,雨に濡れた横顔と革靴だけがハレーション気味の滲んだ光に包まれたいた。

こんな夜中に葬儀でもあるのか。しかもこんな山奥で。雨は止む気配すらない。

間も無くバスは走り出したが,先ほど抗議したせいもあって若干の車間をとる。しかし,どこまで行くのだろうか。火葬場は頂上付近なのか。まだ時間がかかる のかもしれない。約束の時間までに帰れるのか。

またバスが止まった。あれから5分と経っていない。また一人乗り込む。また一人。そしてまた。決まって同じ間隔で止まって,そして一人づつ拾う。また一 人。もう10人以上は乗り込んでいる。このクラスのバスならもう満席だろう。時計を見る。12時を廻っている。それでもバスはゆっくり這うように進む。こ の状況が永遠に感じられ,度々点滅するテールランプの光は視界を必要以上に真っ赤に染めて神経を逆なでするに充分であった。ステアリングを握る手がいつし か汗ばんでいた。

煽り気味に引っ付く。パッシング。バスのリアウィンドウに案内札見える。誰の葬式だ。激しく降りつける雨をワイパーが払い退けても,ぼんやりとしか見えな い。更に近づき目をこらした瞬間,バスがスピードを上げた。

後部座席の男が笑ったように見えた。ふざけてるのか。頭の中が白くなった。それからの私の行動は常軌を逸していたに違いない。

我に返ったのは無理矢理追い越しをかけた瞬間,リアウィンドウの案内札が目に入った時だった。まさか。抜き去ると同時に視線を前方へ移した次の瞬間,土砂 崩れで道を塞いだ岩に激しく衝突した。あっけなかった。

車は大破した。痛みは無かった。後方でバスが止まる音がした。振り返ると喪服の乗客達が降りてこちらへ来る。そして丸まったアルミ箔のような鉄の固まりか ら私を引き摺り出した。

喪服達は無言のまま私を棺に押し込んだ。そしてまた,無言のまま喪服達は整然とバスに乗り込みドアが閉められた。それから間も無く,微かなエンジン音を残 し,私を乗せた旧型マイクロバスは這うようにゆっくり走り出した。

どこへ向かうのだろうか。私はそのテールランプが見えなくなるまで,そこに佇んでいた。

雨はもう小降りになっていた。

注意2:フィクションです。
●136
スタイル(2000/05/01)

世間は黄金週間らしい。
我が家は連休初日から風邪で全滅である。幸い私はどうもない。しかし,どこに行ける訳でもないので,日がな一日テレビを見ていた。

歌番組なんかを見る。そこには多種多彩のジャンルのヒット曲が流れている。それらは音楽的にはオリジナリティーがあるのかも知れないが,私にはどうも腑に 落ちないところがある。

特に,ヒップホップ系やソウル系のミュージシャンには多少なりとも疑問符がついたりする。

なぜ,彼らはそのスタイルなのか。いわゆる「系」のスタイル。ラッパーはラッパーらしいスタイル。ブラックミュージック系はそれなりに。必ずと言っていい ほど,そのジャンルのスタイルの範疇から逸脱していないように見える。

所詮,この国の文化が生み出した音楽じゃないので,あちらのマネなのだろうが,すっかり毒されている感じがする。遠目に見ればどれも同じように見える。

雰囲気は確かに大事だ。しかし,本来自由な魂の叫びともいえるこれらの音楽を唄っていながら,非常に画一化されているのはどうも解せない。キマリでもある のか。やはりパンチパーマや角刈り(剃り入り)のラッパーはダメなのか。透き通るくらい美白したソウルシンガーはウサン臭いのか。ダンス(振り)にして も,マイクの持ち方にしろ,服のセンスにしろ,なんだかもっとこう違うのは無いのか,全く。
だから世界に通用しないって言うんだこの国の音楽は。

なんてノタマウ私はジャージ姿。ごろ寝。見事なまでの休日オヤジスタイル。

今日なんか一歩も外に出ていない。下手すると畳一帖で充分。そろそろ右半身が痛くなったから,寝返りでもうって姿勢をかえよう。

この調子で行けば,黄金週間中に床擦れでも起こしかねない。
●135
スランプ(2000/04/25)

もう書くの止めようか。
10日ぶりの更新。書くことがない。何も浮かばないのだ。スランプ。仕事の疲れが影響しているのかも知れない。

朝から晩までパソコンに向かっていると,家に帰ってからまでパソコンをさわる気にもなれない。実際,吐き気さえしてくる。本職でないシステム開発関連の仕 事に携わっているとなおのことである。

大体,思考的にかなりイイ加減な人間が,事細かに仕様を定義するなんぞできる訳がない。かと言って,大胆な発想と決断力があるかと言うとこれまた無い。そ うとう無理している。灰色の脳細胞を総動員して考えても,たかが知れているしボロもでる。韓国垢擦りみたいにいっぱい出る。

そのうえ開発が思うように進まない。あちらを考えればこちらが疎かになる。一進一退の攻防。チーター。一歩進んで二歩さがる。水前寺清子である。

であるからして,この思考回路がショートした状態のため,コラムのネタになるようなその他一切の情報を受け付けること出来ずにいた。簡単に言うと,いっぱ いいっぱいなのである。

他のサイトで日記なんかを毎日書いてあるのを見ると感心してしまう。まぁ,内容的には全てが面白いものでは無いのは御愛敬。続けるってことはやはり難しい のである。

今日,本屋でこの私のサイトを紹介してくれた奇特な本「i-modeホームページガイド」を立ち読みした。「コラムは必見!」みたいなことを書いて下さっ ている。なんて有り難い励ましのお言葉。反面,プレッシャーでもあったりする。

しかし,良く考えたら何もプレッシャーを感じることなんかないな。素人だし。そう言えば,スランプってのは,本来実力があるにも関わらず,何らかの原因で 実力を発揮できないようになってしまう「見えない落とし穴」的なものだ。

だから実力の無いものには初めからスランプなんてない。落とし穴なんて存在しないのだ。

なんだか自虐的な思考ではあるが,トンネルを抜けたような気もする。

と言うわけで,これからもクダラナイコラムは続く。
●134
定食方程式(2000/04/15 )

ラーメン屋に行った。
ラーメンだけじゃ物足りないので定食ものを食べることにする。いつものことながら定食メニューを前に暫し考え込んでしまう。

通常「定食」と言われるものは,「お得感」があって胃袋のほうも満足できるのだが,どうも腑に落ちない点がある。

Aラーメン定食630円(ラーメン・小めし・餃子5個),Bラーメンセット830円(ラーメン・焼飯・餃子5個),Cちゃんぽん定食950円(ちゃんぽ ん・焼飯・餃子5個)。D焼飯セット680円(ラーメン・焼飯)とある。

一体どれが得なのか。一見では判断出来ない。悩む。そこで,単品の価格を代入して検証してみる。

ラーメン420円。小めし150円。餃子8個350円。焼飯490円。ちゃんぽん600円。ここで注意しなければならない点がふたつある。

まずは餃子。餃子は8個で350円であるから,1個あたり約48円。5個では240円なのだ。そして焼飯。定食ものには単品で注文する場合の約半分の量し かついてこない。だからこれは約250円分相当とみるのが妥当である。

予備計算が出来たところで比較してみる。A:810円。B:910円。C:1090円。D:670円。実勢価格で320円の開きがあるが,正規価格で 420円の差がある。しかもそれはラーメン定食とちゃんぽん定食を比較した場合の420円ではなく,30円高い焼飯セットと比較した場合の差である。

どういうことだ。見かけ上,ラーメン定食が一番安いが,実は焼飯セットの方が安いとは。しかも,焼飯セットは正規価格より高く売ってやがる。

小めし・餃子5個より焼飯に魅力を感じる私は,焼飯セットが一番コストパフォーマンスに優れていると思っていたのに。なんてこった。そういえば,焼飯セッ トだけ別にメニューの隅っこに書いてある。直接的な比較を避けるための罠だったのか。

いや違う。そもそも単品ものとは質が違うってことも考えられる。餃子の設定が怪しい。見方を変えよう。単品からの算出ではなく,それぞれの定食から単価を 導いてみたらどうだ。うーん。連立方程式か。だめだ。頭が腐る。しかし,背に腹は代えられない。どうしたらいいのか。そんな胡散臭そうな顔で見るな。今に 注文するから待って。餃子か焼飯か。何を食えばいいっていうのだぁぁ。

「お客さん,ご注文は・・」
「や,焼肉定食(焼肉・小めし・スナックラーメン)」

動転して間違えた。
133
睡魔(2000/04/10)

立ったまま寝てる人を見た。

腕組みした姿勢で壁にもたれ器用に寝てる。彼は余程眠たいらしく,腰砕けになりながらもなんとか持ち堪えている。その様相は授業中の居眠りに似ていて,頬 杖ついた掌から何度も頭が剥がれ落ちてしまいながらも寝ている,そんな感じだ。

その時の衝撃が延髄を襲うように,今まさに彼の膝を幾度も砕いている。遠目にはコサックダンスをしているように見えるかもしれない。すっかり睡魔の虜と化 しているその姿は,滑稽ですこし悲しい。

人のことばかりは言えない。私自身も睡魔にはめっぽう弱い。異常に寝つきが良いのだ。布団に入って2分もあれば堕ちてしまう。

でも,電車の中で寝つきが早いは非常に困る。つい最近もあった。二晩連荘の酒も手伝ってか睡魔は突然に現れた。同僚と別れ,乗りこんだ帰りの電車。この駅 から降りる駅までは,たったの4駅。ものの15分である。

大体座るのが良くなかった。つい腰を下ろしてしまったのが運の尽き。目覚めたら乗り過ごしている。乗車した駅の次の駅さえ覚えていないどころか,実のとこ ろ座った事さえも記憶に無かったりする。

気を取り直して折り返す。ひと駅戻ればOKなのだ。立ったままで待つ。タバコを1本吸い終えたところで電車が来た。乗り込む。ガラガラの車内。特急通過の ため暫しの待ち時間。ぼーっと立ったままも何なので,腰を降ろす。ひと駅だから乗り過ごすことも無かろう。

気が付いたら電車はまだ止まってる。なんじゃ。特急はまだ通過してないのか。えらく時間がかかるなって思ったらここは終点。実に11駅も過ぎてちゃって る。

慌ててリターン。なぜだ。走りながらも何故だ。しかし,原因追求してる場合ではない。時計を見るとギリギリだ。発車のアナウンスが鳴り響く。間一髪。終電 に滑り込む。

こんど寝たら帰れない。コサック状態に陥りそうな自分を無理に覚醒させながら立ち続る。やっと駅に降り立ったのは,同僚と別れて2時間後。

ヨロヨロと深夜の歩道にひとり。まさか,歩きながら寝ないだろうな。そう思って,小走りで家路を急だ私の姿は相当怪しかったに違いない。
●132
(2000/04/06)

最近,物忘れがひどい。
さっきまで,何喋っていたかも忘れたりする。困ったものだ。

始終バカみたいな事を色々考えるためドライブスペースが減っているせいなのかも知れない。頭の空き領域を確保するために,それこそ右から左へ忘れてしまう のではないか。ただ単に学習能力が低下しているだけなのだろうか。

しかし,実家の母親を思う時,案外遺伝的な要素が影響しているのではないかと思ったりする。劣性遺伝。私から見ても親のいい加減な部分を引き継いでいるな と思う。どっかヌケてて,物忘れが酷いのは母親ゆずりなんだろう。

多分,こんな負の考えが頭をもたげる時は私自身が追いつめらている証拠だ。誰かのせいにしたい。逃げているだけ。気持ちが乗っている時なんかは,これっ ぽっちも考えないくせに。

それでも,ある時母親が言った言葉は忘れられない。

「アルミの鍋を使うとボケが進んで物忘れが酷くなるから,いまからは鉄鍋を使う。鉄分も補給できるし」。なんて無責任なセリフだろう。じゃぁ,今まであな たにそれで育てられた私はどうなる。

今更こんな寝ぼけた事を言っている母親を見て,やはり天然だなと思う反面,これもアルミを摂取しすぎたせいかなと真剣に考えてしまう私がいる。

そんな母親の血は私にも流れていると思うとゾッとしないでもない。
131
ダウンロード (2000/04/03)

最近のヘッドフォンは変わっている。
従来は頭の上から被るようにつけていたが,今は後頭部から前へ挟むようにつけるタイプに人気があるようだ。

デザインもさる事ながら,髪型を常に気にする若者のニーズに見事に嵌まったと考えられる。聴診器みたいに耳にはめ込むタイプより音漏れも少なく,音質がい いのかもしれない。

しかし,聴診器タイプが究極に洗練されたヘッドフォンであると思っていた私には,その様相は奇妙に見える。メタリック系のものならば,別のある種の装置で はないかと思ってしまう。

ヘッドフォンと見せかけて,実はそれで何かの司令を受けているのではないか。遥か天空に母船があって,そこから情報がダウンロードされている。彼らは地球 人ではなく,地球征服を目ろむ別の星の生き物かもしれない。

徐々に送り込まれ始めた彼らは地球に適応するために,局面に応じて情報をダウンロードをしているのである。そしてそれは接続されたコードを通ってレコー ダーに記憶される仕組みになっている。真摯な彼らはそれを,怪しい英会話教材のように毎日反復学習してるのだ。

地球外生物。どうりで,奇妙な言語を操り信じられない振る舞いやファッションをする訳だ。それからすると彼らはまだ地球に順応してないように思える。

地球征服は未だまだ先のようで安心した。

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