file No.26[1998.1.13]      
コンタクト
監督/製作:ロバート・ゼメキス
共同製作/原作/原案:カール・セーガン
共同製作/原案/脚本:ジェイムズ・V・ハート,マイケル・ゴールデンバーグ
出演:ジョディ・フォスター,マシュー・マコノヒー,ジョン・ハート,ジョイムズ・ウッズ


いやーイイ物を見させてもらいました。何がイイかって、それはもうジョディ・フォスターですよ。うまいんだ。彼女からは非常に伝わる物がある。他の女優さん(特にアメリカ映画の女優さん)にはない物。何か日本人的な感覚と言うか。何やらせてもうまいな。

と、云うことで「コンタクト」です。監督はこれまたオスカー受賞者、ロバート・ゼメキス。ゼメキスとジョディ。「激しいぶつかり合い」と思ったのだが、不戦勝でジョディの勝ちです。何故かって言うとこの映画、ジョディ・フォスターなしでは語れない代物だから。

ぜんぜんつまらないんじゃなくて、とても面白いですがあまりにも「ジョディにおまかせ」って感じかする。

確かにSFXは凄いのですが、話自体はとちらかと言うと「地味」。途中のサスペンス(空間移動装置が破壊される)は取ってつけたようなものです。ましてや、2時間30分中半分あたりに来ても話しが進まない。

観ていて多少のイライラ感(決して悪い感覚ではない)が生じる。これは、作り手側の作戦なんだろーけどやはり「ジョディにおまかせ」である。(とは云っても飽きさせないよう色々見せ方に工夫は感じられる。このあたりはさすが。)

後半、俄然面白くなるのだが良く考えるとおかしな事ばかりである。

ウィリアム・ハートのおじさんは、なぜわざわざ宇宙から(しかも、登場シーンは笑わせてくれる)秘密を教えたくれたのか。別に地上にいてもできるんじゃないか。なんで、あんなイカレ爆弾野郎が侵入できたのか。なんであんなに移動装置が早く(いかに日本企業の「突貫工事」技術をもってしても)建造できるのか。(これはストーリーの流れ上仕方ないが、時間の経過があまりにも感じられない。)なんで、2回目の時に精密なテストランをしてデーターを集めなかったのか。まっ、こんなことは見終わった後に感じたまでだが。

空間移動までのくだりは、大袈裟ではなく「手に汗にぎる」感じだった。演出もうまいんだろーけどやはり「ジョディにおまかせ」。表情だけで空間移動の凄さ、未知の空間に出会った驚きを見事に表現しきっている。

彼女が異空間にたどりついた時言う。「詩人を連れてくるべきだった」しかし、それほどの描写をやってのけたのである。
そこで、出会う(コンタクトする)異星人は大方の予想どうりであるが涙せずにはいられない。やっと彼女の夢が実現できたのだ。

しかし、一転。現実(語弊があるかもしれない)に戻ると、いかにも生々しい「政治」的なお話が待っている。「幻想だったのかもしれない」。前半のイライラ感に似た物(阻害感)が再び襲う。

ここがウマイ。手放しの「ハッピーエンド」ではないのだ。「コンタクトに成功し地球に戻ってきた、めでたしめでたし」で終わるほど能天気な恥ずかしい話ではない。ちょっと、現実感を持たせた重さがイイ。
でも、観るもの(真実を貫き通した彼女にとっても)にも救いは訪れる。民衆の穏やかな声援が用意されている。彼女は「神」(信じられ、必要とされる存在)になったのだ。

そう言う意味では無神論者である彼女にとって、ウィリアム・ハートおじさんの存在は神だったのかも知れない。

        

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