fileNo.76
死国
1999.2.20
監督:長崎俊一
脚本:万田邦実,仙頭武則
出演:夏川結衣,筒井道隆,栗山千明

今「リング2」を観ると,もれなく「死国」が付いてきます。と,言うわけで見てきました。お話は,今も四国に根付いている”お遍路信仰”をベースに,死者の蘇りを描いた怪奇サスペンスになってます。

主な登場人物は、比奈子、文也、そして莎代里の3人。彼らは幼なじみであるが,比奈子は生まれ育った高知県・矢狗村を後にし、小学校時代に東京に引っ越している。十数年後,比奈子が故郷を尋ねると,莎代里は既に死んでいた。文也との再開を果たしてから奇妙なことが比奈子の周りで起きはじめる。誰かに見られている。気配を感じる。そして,死んだはずの莎代里が姿を現した。その裏には彼女の母親の恐るべき企てがあった・・・。

オープニングから暫く続く過去の(回想)話の場面は,粗粒子と暗いトーンの映像と手持ちカメラによる”異常に気分が悪くなる”映像でホトホト困り果てる。それに,執拗なまでのアップ攻撃。頭が痛くなる。もう,この映画は死んでいる。

なんて思っていたら,十数年後の現在に話はワープ。やっと息苦しい映像から開放されたかと思えば,そうでもない。相変わらずのアップ攻撃。わりかし映像のトーンは好きなんだけどね。照明が自然光っぽくていい。

話の軸になる”死者の復活”の儀式のアイデアは面白い。お遍路さんは実は四国に結界を張るためのものであり,その順序を逆に回ると死者が復活する。それも,死んだ人間の年の数だけ。これは,面白い。莎代里が幻覚のごとく現れたり,枕もとに立ったりするのは確かに映像的に恐い。

が,しかし,これだけ。このアイデアだけなんだな。村の死んだ老人たちが姿を現すくだりもイイんだけど・・・。その後がな。特に莎代里が復活してしまってからと言うものは,もうヨロメキドラマ。復活した莎代里はマンガ。笑っちゃう。やることなすことおマヌケである。

それなりに,面白く出来ているのだが,もう少し3人の人物設定なり描写がなされていたならな。なんか,これじゃ火曜ワイド劇場の域からはぬけられない。そもそも,公開後のTV放映時のために気を遣って撮っているような感じがする映画であった。

shima-s@fka.att.ne.jp


 
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