file No45
ワイルド・アット・ハート
1998.4.12
監督・脚本:デビッド・リンチ 
原作:バリー・ギフォード 
音楽:アンジェロ・バダラメンティ 
出演:ニコラス・ケイジ,ローラ・ダーン,ダイアン・ラッド,ウィレム・デフォー 
イザベラ・ロッセリーニ ,ハリー・ディーン・スタントン

フェイス/オフを見た後、妙にこの映画を見たくなった。ちょっと久しぶりかな。「ワイルド・アット・ハート」
     
 かなりキレています。生半可のもんじゃありません。全ての登場人物もこの映画自体も、作ったデビット・リンチも多分キレています。ヤバイ薬でもやってんじゃないでしょうか。強烈な暴力性を全面から発しています。

 燃え上がるマッチの炎。繰り返されるカットイン。冒頭の殺しの場面。鈍く光るナイフ。執拗に殴り続ける男。壁に打ち付けられ頭を割られる黒人。なおも床に押し倒し殴る男。この時の頭が砕ける音。事が終わった後の男の眼孔。尋常な人間の描ける範疇ではない。

出所したばかりの男とその彼女が、道すがら出会う出来事は突発的で暴力に溢れている。ディスコでの喧嘩。交通事故にあった瀕死の女性。探偵の死。強盗仲間の死。

何のつながりも無い出来事が加速度的に「暴力」で繋がれ暴発を繰り返している。
ただ、確かに序盤の殴殺シーンと終盤の銀行強盗のシーンは強烈だが、その他は写実的な暴力シーンはない。その雰囲気と云うか空気感がそう感じさせるのだ。

ストーリーの省略。かみ合わないセリフ。突然カットインする関係ないシーン。全てが計算されているようで、されていなさそうで。見事なバランスの上に成り立っている。

タランティーノもキレているが、こっちの方がもっと危険で巻き込まれそうな感じがするのは、キレた映画を作る人間と本当にキレている人間が作った映画と云う違いのせいだろう。

音楽、効果音、俳優、映像がこれほど高い完成度をもった映画も、そうザラにはあるまい。
 

shima-s@fka.att.ne.jp
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送