file No52
バウンド
1998.5.20
監督,脚本:ラリー・ウォシャウスキー,アンディー・ウォシャウスキー 
出演:ジェニファー・ティリー,ジーナ・ガーション,ジョー・パントリアーノ

今回は当たりである。決して大作では無く,小品の部類にはいる作品であるが,非常に小気味良い。小品ならではと云ったところか。。見事なデビュー作である。 

冒頭から一気に物語りに引き込まれる。俯瞰を多用したショット,カットの繋ぎ方,独特の構図。あれ,どっかで見たような・・・。そうです,コーエン兄弟(ちなみに,この作品も監督と脚本は兄弟でやっているらしい。)の映画の雰囲気がそこにあるのです。マフィアを題材としている点でも「ミラーズ・クロッシング」を思い出さずにはいられなかった。 

作品全体を見ると雰囲気は似てるものの,コーエン兄弟のような人間の業なんかって云う「深み」は感じられない。が,しかし十二分に面白い。 

女性同士の友情なんて陳腐な構図をさけるため,そこに肉体関係を持ち込んでいて「男と女」の見慣れた関係とは違った世界を作り出している。これが,カッコイイ。レズシーンなんかもあるのだか,そうとうエロティックだし,二人の女優さんも両極端でいい。かといって,男役,女役みたいな描きかたじゃないのは上手い。 

ほとんどが室内で撮影されているにも係わらず,展開がスピーディーで息苦しくない。スタイリッシュな映像もそれをカバーしている。ただ,チョット気に掛かったのは効果音。そんなに気を遣わなくても,十分サスペンスは盛り上っているのに・・。 

考えて見れば,横取りの計画なんてのも幼稚だし,マフィア達の描きかたも普通と云えば普通。なのに,タイトでカッコイイ。なぜか。それはこの映画に登場する誰一人として,作られた物語へ直進していないからであろう。 

「結果的にそうなった」的な偶発的な魅力に溢れているためである。それが一番スリリングでもあったのだ。 
 

shima-s@fka.att.ne.jp
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