file No54
ワイルド・バンチ(デレクターズカット) 1998.6.1 監督,脚本:サム・ペキンパー 脚本:ウォロン・グリーン 音楽:ジュリー・フィールディング 出演:ウィリアム・ホールデン,アーネスト・ボーグナイン,ロバート・ライアン ウォーレン・オーツ,ベン・ジョンソン 強烈です。あの有名なラストの銃撃戦は,いったいどのようにして撮れられいるのでしょうか。まさに天才のなせる業です。 オープニングの町中での銃撃戦だけでも十分1本の映画ができてしまうほど,濃厚な演出で乗っけから見るものを圧倒します。 もう,もの映画に関しては誉めることしか見つかりません。タイトルバックもカッチョイイ!
一人の男が撃たれる。落ちる男。銃を放った男の目。落下する男。逃げ惑う人々。次の獲物を捕らえる銃。地面に叩き付けられる男。 こんな描写(もっとカッチョイイのだが)は計算し尽くされた,スローとカットバック,クローズアップにより構成され息をつくのさえ忘れてしまう。 だから,ペキンパーの映画は見るのに体力がいる。 スタイルだけではない。人物描写や配役の構成が非常にレベルが高く,なんといっても男くさい。ひ弱な男はペキンパー映画では生きていられないのだ。 しかし,ペキンパーの目は血肉湧き踊るアクションシーンだけに向けられているのではない。 その目は男達の死闘の真っ只中で,脅え泣き叫ぶ子供や呆然と佇む老婆をも捕らえる。そして,戦い疲れた男。その目は,なんとも悲しいくて切ない。 単にアクションだけの映画では終わらないのである。このことが,ペキンパー映画の余韻となって忘れられない映画となる理由であろう。
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