file No63
真夜中のサバナ」
1998.10.20
製作・監督:クリント・イーストウッド
脚本:ジョン・リー・ハンコック
出演:ケビン・スペイシー,ジョン・キューザック

クリント・イーストウット監督作品です。あんまり,この人の監督作ってやつには私好みのものはないんですが,今回はどうでしょうか。

アメリカ南部の古都ジョージア州サバナが舞台だそうです。ここは現代に残された楽園ともいえる美しい街なんだそうな。そこで起きた殺人事件の実話をもとに物語が展開していくらしい。

確かに映像として捕らえられている,その景色はひたすら美しい。カメラがいいね。眩しいくらいに描き出している。

主役の記者には「コン・エアー」でも光っていたジョン・キューザック。容疑者の骨董商には「LAコンフィデンシャル」のケビン・スペイシー。この二人が実にウマイ。キューザックの人懐っこいキャラクターとスペイシーのいかにも如何わしい風貌。この登場人物のコントラストは,そのまま,このサバナそのものを描いているようで面白い。

これは,昼間はひたすら明るく美しい町が,夜には怪しげな町に変貌する二面性と似ている。

また,その他の登場人物にもそれは言える。〈ハエを頭に飼っている元科学者〉〈中絶費用をせしめているドラッグ・クイーン〉〈人の遺影の窓を金ヅチで割って歩くおばさん〉〈首輪だけの見えない犬を散歩させる老人〉は「陽」であるし,(ブードゥー教の祈とう師のおばさん)(バイセクシャルの被害者)は「陰」である。彼らが出没(行動)するのは「昼」と「夜」。このコントラストが面白い。

しかし,この映画はどーも,実話の線を追いすぎるきらいがあって,物語の核となっている殺人事件の全貌があいまいなんで,物足りない気がする。(その他にエピソードは異常に面白いが)

ホモ仲間の怨恨の縺れで殺人を犯す訳だが,被害者となった男の描写がイマイチ浅い。裁判で証言者達が口々に言う「魅力的な男」なんかには到底見えないのだ。このへんの処理が物足りない。

また,殺人事件が単純すぎる。私なんかは深読みしすぎて,容疑者が記者を目撃者というか証言者に仕立て上げようとして,インタビューに応じるっといった,もうちょっと一捻りされたものがあると思って見ていたくらいだ。

やっぱ,映画としては物足りない。焦点が定まらず,ただ長い映画だったような気がする・・
 

shima-s@fka.att.ne.jp
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