file No.06コピーキャット     
1997.10.4      
監督:ジョン・アミエル     
出演:ホリー・ハンター,シガニー・ウィーバー,ハリー・ハンコック・Jr

見慣れた猟奇殺人物の映画である。「羊たちの沈黙」を彷彿させる作品であるが、足元にも及んでいない。「セブン」の重苦しさも感じない。    

なんの思想すら感じさせないのは、人物の描写が甘いためであろう。
    
ハーリー・ハンコック・Jrは確かに怪演はしているものの役どころが馬鹿だし、ウィリアム・マクナマラの犯人像はありきたりである。それでは犯人を追う側はどうか。まず、ホリー・ハンター演じる刑事の描写は余裕が感じられないし、厚みがない。

シガニー・ウィーバー演じる心理学者はもっと猟奇殺人物に対して「病的」であった方が、この映画が描こうとしている「異常」さなるものが強調されるのではないか。    

やはり、問題はここにある。刑事と心理学者が仲良しで同じ種類の人間であることが問題である。確かに、「かわいい(ぶりっこ)」刑事と「インテリ神経質おばさん」心理学者という対比はあるが、どちらも猟奇殺人物に対してクールだし、当然ではあるが否定的である。否定的な考え方が同じなじである。ふたりとも刑事である。    

刑事の人物設定をこのままでやりたいなら、心理学者側は例えば「死ぬほど嫌悪しているが、殺人犯達に魅力を感じている」とか「それぞれの猟奇殺人を批評していて、COPYする者に対して怒りを覚えている」など、または心理学者ゆえにそんな自分に嫌悪感を抱いている人物設定であったら、かなり深い映画になりえたのではだろうか。    

この作品の狙いが このあたりではないのなら別だが。    
        

shima-s@fka.att.ne.jp
 
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