file No07
デットマン・ウォーキング
1997.10.18
監督,脚本:ティム・ロビンス  
出演:ショーン・ペン,スーザン・サランドン          

はっきりしない作品である。時間も長すぎる。何を伝えたいのか、何を考えさせたいのか視点が定まらない感じがする。死刑囚とそれを救済しようとする尼さんの話なのだが、尼さんがただ右往左往している印象しか残らない。   

冒頭、死刑囚がその原因となる事件の回想シーン(モノクロ)があるが、これが劇中何度も何度も描かれる。そして、それでも足らず被害者の両親にも必要以上に事件の詳細を語らせる。   
冒頭のシーンで犯行に及んでいるシーンを描き、ラスト近くに犯行の全貌が分かるくらいの方がすっきりする。   
また、死刑囚が罪の意識に苛まれて頻繁に回想されるシーンであるなら、少しでも死刑囚と共犯者のと関係を挿入すべきだ。それでなければ非常にクドイ感じがするし、あまり必要ではないのではと思われる。   

映像で十分説明であるはずなのに。何故か。   
この事件のシーンが死刑囚の主観で撮られていないためなのだ。引き一辺倒の映像であるから、細部を説明せざるをえない。このことは、あえてそう撮られたのであろうが、この作品の致命的な過ちとなっている。あまりに客観的なため死刑囚に感情移入が出来ないのだ。   

いくら言葉で訴えてもまったく伝わらない。   
これは、尼さんの場合にも当てはまる。肝心な「死刑囚の救済までの経緯(心の葛藤)」がサラリと描かれすぎているため、救済の難しさや煩雑さだけが目立つ結果となっている。   
いくらクールに演出しても、観ている側に何の感情を起こさせないのでは意味がない。ラストの死刑囚と尼さんとの涙々のシーンが用意られても、観客はすでに冷め切っていて「そうなの、それで」ってな感じなってしまう。   

観客までクールにしてはいけない。       
       

shima-s@fka.att.ne.jp
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