file No.13
新幹線大爆破
1997.10.25
1975年・東映
監督・脚本:佐藤純彌
出演:高倉健,宇津井健,千葉真一,山本圭        

理屈抜きで面白い映画である。最初に見たのはテレビでしかも十数年前になるだろう。まだ、小学生か中学生のころだと思う。圧倒的に印象に残っている日本映画だったので、レンタルビデオ屋で思わず借りてしまった。  

博多行きの新幹線「ひかり109」に爆弾を仕掛け日本政府に大金を要求する犯人側と、それを阻止しようとする警察側との駆け引きを描いたサスペンス大作である。  

犯人を演じるのは高倉健。また、新幹線の運転手役に千葉真一(一切アクションしない)。珍しい配役である。  

ある一定の速度に達するとスイッチが入り、時速80キロ以下になると爆発する爆弾が乗客1500人の新幹線に仕掛けられる。  
どこかで聞いたことがあるこの設定。「スピード」である。バスと新幹線という違いはあるが、異常にアイデアが似ている。まさに、パクリである。22年前の日本映画がハリウットでパクられているのだ。  
その、アイデアのおもしろさとストーリーの単純さは、ハリウッド映画に置き換えられるだけあって見事である。(「スピード」も確かに面白い)  

ある種パニック映画であるが、あえて乗客達の描写を最小限に抑え犯人側に主眼をおいた構成はシンプルで力強い。この手の他の日本映画は、このあたりがあまりにも複雑で「人間模様」を描きだがる。とかく女性がからむ。(例えば管制官の別居中の奥さんが事件を知って気をもんでいたりする。)こうなったら最後、演歌の世界である。 

確かに、犯人の別れた奥さんは登場する。しかし、あくまでもストーリーを構成する上で必要なエピソードで伏線でもある重要な役柄なのだ。また、挿入されている他の犯人達のエピソードも多少湿めっぽかったりしても、決してべたつたりしていない。 

1975年という時代背景から「薄暗い」雰囲気があり、それが今となっては(当時もそうであろうが)実録っぽい緊張感を生み出している。 
間違いなく、日本映画を代表するサスペンス映画の一つである。 
          

shima-s@fka.att.ne.jp
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