file No.23
赤ちゃん泥棒
1997.12.18
監督、脚本:ジュエル・コーエン
製作、脚本:イーサン・コーエン
出演:ニコラス・ケイジ,ホリー・ハンター,フランシス・マクドーマンド

遅れ馳せながら、これでコーエン兄弟の作品は「ブラット・シンプル」以外は全部(?)観たことになる。 

9月に今日現在の最新作「ファーゴ」を観て始めてコーエン兄弟の存在を知った(なさけねー)のだが、彼らの作品に通じて言えることは「ハズレが無い」である。また、彼らが「人間の滑稽さ」「人間の悲しさ」を一貫したテーマとして扱っていて、その映像テクニックは一流であることは良く知られるところである。 

しかし、先ほど言ったように存在を知らなっかった私にとって、彼らの作品は全てにおいてショックであった。「いままで観てきた映画はなんだったのか」と思わせるには(ちょっとオーバーか)十分だった。 

そこで、まだコーエン兄弟の作品をあまり見ていない人の為に(ためになるのか?)おすすめ順作品紹介などをしてみたい。 
詳細についてはリンク先に生意気にも書いています。 
 
      1「ファーゴ」(軽妙でいて重厚な作品) 
      2「赤ちゃん泥棒」(ハイテンションコメディー) 
      3「ミラーズ・クロッシング」(コーエン流マフィア映画) 
      4「未来は今」(家族で楽しめるファンタジー) 
      5「バートン・フィンク」(ちょっと重苦しい) 

で、「赤ちゃん泥棒」だが「ハズレが無い」コーエン兄弟作品の中で二番目に好きな作品になってしまった。ほぼ製作順と逆に観ていったが初期のこの作品も非常におもしろい。この段階で既にコーエン兄弟の世界を確立し、テクニックも洗練されており完成度は高い。 

かなりキレた作品である。スラップスティック・コメディーなのでキレていて当然なのだが、俳優陣が実に良い。 

アカデミー俳優のニコラス・ケイジも違った意味で「ワイルド・アット・ハート」よりキレている。フランシス・マクドーマンドやジョン・グットマンなどには懐かしさすら(「ファーゴ」や「バートン・フィンク」を先に観たため)感じた。これまた、アカデミー女優のホリー・ハンターは若くヒジョーにかわいい。 

キレてはいるもののストーリーの単純さと圧倒的なスピード感により、訳の分からないドタバタにはなっていないのは見事。それでいて爆笑させられるのである。特にスパーマーケットでの銃撃戦(主人公は撃っていないが)は秀逸である。 

この作品では「人間の滑稽さ」が全面に出ており他の作品とちょっと毛色が違うのだが、やはりそこにはそんな人間に対する「やさしさ」が感じ取れる。ラスト、犯人達は子供を元に返すのだが、子供を奪われていた家具屋のオーナーは彼らを見逃してやる。夫が妻の肩に手を回す、後ろ姿のシーンは「ファーゴ」とは違う「人間のやさしさ」が感じられるのである。                   

shima-s@fka.att.ne.jp
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